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尾崎喜八② [各種備忘録]

されど同じ安息日の夕暮れに
     一五年前、二歳のお前をかるがると背負って、信濃冨士見
     の高原で復活祭の雲雀の歌を聞いたものだったが、いま、
     成人してお前は、年こそ経たれ、同じ復活祭の夕暮れにバ
     ッハを弾いてくれている。私にはもうお前を背負うことも
     かなわないが、しかしこの年老いた私を憐れむのはまだ早
     い。
     「私はこうして、ここにまだ在る」・・・・・しかし、し
     かし、そういう私の存在がこの世から消えた時、「或る春
     の同じ安息日の夕暮れに、お前はふと私の訪れを空気に感
     じて、同じコラールを、花の窓辺に、一層深い思いで弾い
     てくれるだろうか」

     ※皆川達夫による詩の要約。「」内は詩からの引用部分。
     ※「されど同じ安息日の夕暮れに」の喜八の朗読はここ

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